参拾九

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左之助「桜華!一緒に寝よう!」 『死ね。』 何ともセクハラ的な発言をする左之助。桜華は苦笑いし、他は抜き身の刀を左之助の喉元に向けている。 月夜「母さまは月夜が守るの!」 桜華の腕から離れた月夜は真っ直ぐ左之助に拳を突き出したまま走った。 それに気付いた面々は左之助から刀を向けたまま離れた。 ―ドンッ 左之助「ウグッ…!」 誰しもこの展開を予測しただろう。その場に居る桜華を除いた面々は『ざまぁみろ』と言った表情をしている。 お決まりの左之助のゴー○デン○ールに月夜の拳がクリーンヒットした。 月夜「左之、馬鹿、カス!」 何とも口が悪くなった月夜に桜華は苦笑い。鉄之助と土方、一は教えた犯人に心当たりがあるらしく溜め息を吐く。 辻風に至っては左之助を招待した事を後悔していた。 辻風「お下がり下さい。」 足音が聞こえた辻風は桜華を守るように座り、土方と一も両脇に移動する。 左之助は再起不能でピクピクしている為、月夜が何処からか見つけた棒で突っついている。 辻風「鉄之助とやら女中らしいが万が一がある。見てきてくれ。」ボソッ 鉄之助を使う辻風。この事に反抗しようとした桜華だが、一に掴まれた肩と首を横に振る仕草で呑み込んだ。 鉄之助「何か?」 廊下には今まさに戸を開けようとした女中が驚きの表情で見上げている。 「え、…あ、あの…。」 驚き過ぎてタジタジに話す女中。部屋の中に転がる再起不能の左之助と桜華を守るように刀に手をかけている3人、守られている若宮当主を前に言葉が見つからない。 桜華「まずはお入り。ゆっくり呼吸をしてから落ち着いて話せば大丈夫。」 桜華の言葉に頭を下げた女中は部屋の隅に座って深呼吸をする。
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