参拾九

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桜華「落ち着きましたか?」 頃合いを見て聞く桜華。鉄之助は左之助が邪魔なのか一と引きずって部屋の隅に置いた。 「はい、お食事をお持ちしました。」 女中は忙しそうに廊下に置いてあった前菜である和え物の入った器を膳ごと置いていく。 次から次へと女中が食事を持ってくる。 ―ドカッ 鉄之助「いい加減起きて下さい、食事が運ばれてきましたよ。」 起きる気配の無い左之助を蹴飛ばして言う鉄之助。上司にする態度とは程遠い、蹴りは手加減無しの跳び蹴りだった。 左之助「…ん?飯か!?」 馬鹿は身体も頑丈らしくあまり効いてないらしい。 土方「にしても豪華だな。」 1つ1つに手が込んでいる料理。品数も多く、屯所で出される料理とは値段が全く違う。 一「そうですね…。」 料理を目の前に驚きながら言う一。さすが、高値で有名な宿屋だ。部屋から料理まで凄い。 左之助「いっただっきまー『食べるな!』へぇ!?」 ―ドスッ 冷や奴に手を伸ばした左之助に桜華は腕に箸を投げつけ、辻風は左之助の腕を押さえつける。
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