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桜華「土方さんも一も鉄之助も一切手を付けないで下さい。」
月夜を抱きしめ、箸を投げた姿勢のまま言う桜華。辻風も左之助が食べないと分かると桜華の後ろに戻った。
一「もしや…毒か?」
桜華と辻風の慌てっぷりに推測する一。左之助は膳から距離を取る。
辻風「万が一がありますので、毒味を。」
すると左之助の膳の前に降りた1人の忍が冷や奴のタレを箸で一滴、指に乗せて口に含んだ。
「黒。」
それだけ言うと忍はまた何処かへ行き、辻風と桜華は溜め息を吐く。
土方「毒入りかよ…。」
桜華「残念ながら私に死んで欲しい者が居るようですね。
辻風、源さんからのお弁当を皆さんに渡して下さい。」
悲しそうに膳を見て言った桜華。
月夜「母さま痛い?」
悲しそうな表情の桜華を心配する月夜。
辻風は荷物の中から包みを取り出し、渡した。そこにはおにぎりとお新香があった。
桜華「大丈夫だよ。皆さん、若宮家に着いたら豪華な料理を出すように言いますから我慢して下さい。」
一「俺達にはこれぐらいがちょうどいい。」
土方と満足そうにおにぎりを食べる一。左之助も鉄之助もおにぎりを頬張る。
桜華「それで、皆さんにお願いがあるんです。
月夜と鉄之助は別で。」
その言葉に不服そうな鉄之助だが、辻風を含む面々は真面目な顔になる。
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