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「うん。何か興味があって」
色々なことに興味を持つことはいいことだ。
ひとしきり感心していた葵は思い付いたように、ひとつの提案をしてみせた。
『じゃあ何か吹いてみろよ』
葵の言葉に勢いよく振り返ったナツは、明らかにうろたえた顔をしていた。
そして悲鳴に近い声を上げる。
「ま、まだ人様に聞かせられるレベルに達してないんだけど!?」
おや、と葵は内心で首を傾げる。
ケースからトランペットを出したのは練習するためなのだろうと思われる。なら、それを躊躇するのは何故だろう。
しばらく考えて、葵はピンと来た様子で言葉を紡いだ。
『ナツ、お前……』
するとナツは葵の言葉を遮って、
「どうせ、ド下手ですよーーっ!」
盛大に自爆した。
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