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最初こそ訝しげに思っていた葵だったが、それ以上追及することはなくさっさと話題を変えた。
きっとナツにはナツなりの考えがあるのだろうと思って。
『じゃあ、何か演奏よろしく』
「ここまでしといて!?」
今にも泣き出しそうにへの字に眉を下げたナツに、葵は『当たり前だろ』と楽しそうに言ってみせた。
こうなるとナツに勝ち目はない。
涙目になりながら、ナツはしぶしぶトランペットを構えた。
「笑わないでよね」
念を押すように言ってからキッと葵を睨みつけて、ナツはマウスピースに口を当てた。
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