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──最初の一音が、高らかに夏空へと響き渡った。
そうしてから紡ぎ出される曲は、葵も知ってるものだった。
オーバーザレインボー。
その有名な曲は、多くの人に愛されたくさんのカバーが出ているほどだ。
お世辞にも上手とは言えないが、彼女らしい素直な音だと葵は思う。今はまだこのレベルだが、練習を重ねればきっと上手くなるはずだ。
所々吹き間違えたり、音が当たってなかったりするのはこの際ご愛敬だ。
最後のフレーズもやや外れたような音だったが、何とか演奏し切った。
吹き終わって満足そうにしていたナツは、ハッとしてびくびくしながら葵を顧みた。
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