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「ど、どうだった?」
その様子がおかしくて、葵はついからかうような口調で、
『まだまだだなー。俺が聴いてたからいいけど、確かにこれは他人には聴かせられないな』
「だから言ったのにー」
むくれるナツに、さすがの葵も可哀相に思ったのか付け加えるように呟いた。
『でもナツらしかったよ』
そんな葵の言葉にナツは目をぱちくりとさせて、しばらくしてから口元をほころばせた。
トランペットをケースにしまっていたナツは、小さく「あっ」と声を上げてからすくっと立ち上がった。
そんなナツに葵が不思議そうに声をかける。
『ナツ?』
「いいこと思いついた!」
そう言うとナツは、人差し指を立てて指揮棒のように構えた。
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