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「いい夏になりそう」
ふふっと微笑んでから、ナツは廊下を疾走した。
視界の端に映る青空を捉えながら、ナツは今年の夏は自分にとって特別なものになるような気がしていた。
それがどんなことだったとしても大丈夫だと、彼女は強く確信している。
ようやく目的地に辿り着いたナツは、乱れた呼吸を整えてから、
「ごめんなさい、遅れましたーー!」
元気な言葉と共に、彼女は部室のドアを勢いよく開いた。
──あげるよ。みんなに、素敵な夏を!
そして、今年も夏がはじまる。
†Fin†
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