Gift -なつのおくりもの-

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 もう少しで、日付の変わり目--深夜零時。  心臓が、全力疾走しているのが分かる。耳のすぐ隣で、逸る心の鼓動を聴いているかのようだ。 「三分、二分、一分………」  そして、本当に小さくカチリと音がして針は零時を刻んだ。  少女は固唾を飲んで、じっと大きな向日葵を見つめていた。  すると。  抱えていた向日葵が、淡い光を放ちながら輝き始めたのだ。そのやさしい光は、夏の夜に乱舞する蛍に似ていた。  その幻想的な光が収まる頃、少女は期待に胸を膨らませながらも、それをぐっと押さえてゆっくりと口を開いた。
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