8人が本棚に入れています
本棚に追加
もう少しで、日付の変わり目--深夜零時。
心臓が、全力疾走しているのが分かる。耳のすぐ隣で、逸る心の鼓動を聴いているかのようだ。
「三分、二分、一分………」
そして、本当に小さくカチリと音がして針は零時を刻んだ。
少女は固唾を飲んで、じっと大きな向日葵を見つめていた。
すると。
抱えていた向日葵が、淡い光を放ちながら輝き始めたのだ。そのやさしい光は、夏の夜に乱舞する蛍に似ていた。
その幻想的な光が収まる頃、少女は期待に胸を膨らませながらも、それをぐっと押さえてゆっくりと口を開いた。
最初のコメントを投稿しよう!