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遠くでぼんやりとしていた海面が、もう眼下に迫っていた。
しかし、少女の表情はさっきと全く変わっていない。むしろ、先程よりも生き生きとしていて瞳が星のように輝いている。
そして、本当に海面にぶつかる瞬間に少女はほんの少しだけ茎を下げてフッと力を抜いた。
『!』
海面に少しだけ茎の先を付けて、少女は波の上を滑るように飛んでいた。
水飛沫が宙を舞い、飛んだ海のカケラ達が何重にも波紋を波に落としていく。
舞い上がって出来た水のアーチをくぐるように飛んでいく少女だったが、やがて声を立てて笑い始めた。
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