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僕が光の言葉を理解するまでに
そう、時間は掛からなかった。
「光…?」
血の気が引いていくのを
自分でも感じた。
僕は小さく笑って
光を見た。
「俺、侑李が好きだ…」
「なら…」
光はベッドから体を下ろし
僕の着ていた服を拾った。
「ほら、早く着な」
服を差し出す光。
光は既にズボンを履いていた。
「光?僕…」
「俺は幸せなんか初めから
感じてなんかなかったよ」
「え…」
「侑李?お前、まだ大貴を
忘れてないんだろ?」
光の寂しそうな顔。
言葉なんかなかった。
「前から解ってた。俺が侑李に
告白した時も同情だった…」
「ちが…」
「大貴と別れてから侑李は
笑わなくなってたよ」
大好きなのに…。
なんで?
僕が大貴と別れたのは
光が好きだったからなのに…
「今までゴメンな?」
大好きな人をこんな顔に
させてるのは、僕?
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