けいりょう

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       「涼くーん!」  この声に何処か  苛立ちを感じる。  最近の俺は変。  前まではこの声を聞くたびに  幾ら苛々してても、  すぐ直ってたのに…。  「涼君?」  カッコ悪い俺を映す、黒くて  綺麗な瞳に視線を外した。  「聞いて?今日はね、   大学の先生に図形の   書き方教えて   もらったんだ!」  ノートを開いて、キラキラと  目を輝かせて話す姿に、  やっと自分の中にあった  モヤモヤの正体が解った。  「慧…いっつも勉強、勉強   じゃなくてたまには俺と   遊んでよ…」  慧を見ると、驚いた様に  目を見開いていた。  「涼君?」  「あー…やっぱ今の無しっ」  大学生だもん…  高校なんかと訳が違うよ…  仕事と勉強の両立なんて  大変なんだから…  俺が我慢しないと  いけないのに… .
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