第一章*現代

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「え?!ちょっ!!恋歌!!?」 友人が声をかけた時、既に恋歌の姿はなかった。 「ったく!!逃げやがって!!昔から足だけは無駄に速いんだから…」 頭をガシガシと掻くと友人は空を見上げる。 少し橙色に染まった空を見て小さな溜め息をついた。 昔から誰に相談する事もなく、溜め込んで… たまには相談してくれればいいのにさ… (あの様子から見て…ケンカでもしたってとこかな?) 心配と…少し怒りが交ざる感情。 「まぁ仕方ないか…」そういうと友人は自分の家の方向へ帰っていった。 ────── ─── 「ハァハァ...」 角を曲がったところで恋歌は走るのを止めた。 「も…ムリ‥だ……ヒック‥ウッ‥」 涙がどんどん溢れて…前がよく見えない。 ─"航"─ 涙で視界がボヤける中、恋歌は左手を見た。 左の小指に航からもらったリングがはまっている。 「っ!...航..!なん『プップーー!!!!』 ─ほんの一瞬の出来事だった─
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