第二章*幕末を生きた男達

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(…て何考えてるんだろ) 心地よい風を感じられる、土に混じる石の固さを感じられる …死んでない証拠だ でもなんでこんな所にいるのかがすっごい疑問なんだよね… どっちにしろ長くこんな所にいられない。 日照りが強くなれば熱中症になりかねないし喉が渇いて脱水症状になるかも知れない… でもこのまま森の中をさ迷い続ければ食べ物もないから餓死しちゃうかもしれないし… かと言って動き回って余計に奥に行っちゃったら… (あぁ~駄目だ!!頭パンクするっつーの!!!!) 一度に色んな事考えらんない… 「…ハァ」 どうしよう… ─ゾクッ 「!?!」 いきなり後ろから人の視線を感じた。 嫌な汗が…背中に伝う… 私は後ろからの刺すような視線を探る為、気を集中させる。 (…あれ?) …この人気配がない 元々、私は人の気配には敏感なのに… 今までで…こんなの初めて… (焦っちゃダメ!!落ち着いて…落ち着いて…) 必死に自分を落ち着かせてからもう一度集中する。 (…っ!…見つけた) 気配は本当に極僅かしかなかった。 …でも (…あれ?) こんな気配は初めてだ… ううん…気配じゃないひどく怖い。 全身に鳥肌がたって背筋がゾクゾクとして… そして、この何とも言えない嫌な感じ… ─殺気とでもいうのだろうか…
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