1人が本棚に入れています
本棚に追加
/9ページ
歌う時って、誰もが何かしらの気持ちや想いを込めて歌う
誰かに聞いて貰うために歌う時は誰もが「私の歌を聞いてっ!」って思いながら歌うよね
もしかしたら
自分の美声に酔ってる人もいるかもしれないけれど
でも、それだって「もっともっと旨く!!」って、求めてる
私は、そんな気がするんだ
『私』こと松田 響は、人気作詞家である
ぼーっとしながら『歌うこと』について考え、格好良い事を言っていたが、実は彼女は昔から音痴というレッテルを貼られていた
「自分が音痴というレッテルを貼られている」というのは、本人の言葉なだけで、実際に音痴であるが・・・
だが、その事実をものともせずに彼女は『歌い続けていた』
彼女も昔は良く路上ライブなどをやっていたものだ
当時の彼女の将来の夢は『歌手だった』のだから当たり前
やはり音痴であるがために誰も止まって聴いてはくれず、寧ろ笑い者にされていたのだ
・・・が、
彼女は何事にも【全力】で猪突猛進といえるような性格をしている
単細胞と呼ばれていたこともある
その猪突猛進な彼女の頑張りは1ヶ月、また1ヶ月と続き、ある日、彼の目に止まった
彼の名は斎藤 昂希
彼は歌手であるが、気に入った詞しか歌わないという少し困った奴である
しかも、なかなか気に入るものがなく四苦八苦しているのだ(選ばなければ良いだけのこと)
その癖に自分では詞を書こうとはしない
彼曰く、斎藤 昂希には詞を書く才能がないそうだ
彼女の想いが溢れた『詞』は、そんな彼の心に刺さるかのように届いた
「君、歌はからっきし駄目だけど、その詞には光るものがあると思うよ
僕は君の声になるから、君は僕の為に詞を書いてくれないかな?」
僕達が一緒になれば、きっと上に行ける!!
そう思った彼は、恥ずかしい事をスラスラと当たり前の様に言ってのけたのだった
その日から、
松田 響の夢は変わった
それと同時に、恋をした
彼は頂点を目指すために、
彼女は彼のために、
今日も全力で愛を書き、愛を歌うのだった
END
最初のコメントを投稿しよう!