小学校。

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今年はいつも違って、 卒業式がある。 今通ってる湊小学校が 卒業校になるわけだ。 とはいっても 1年しかこの学校には いないのだけど。 卒業式が始まった。 周りは号泣していても ほとんど思い出がない この学校の卒業式など なんにも感じないのが本音だ。 卒業式が終わり、 教室に戻った。 担任の小林先生が 話を始めた。 「僕は3年前。 つまり君たちが4年生の時だ。 その時から君たちと共に過ごした。 今日の日は教師生活初めての子供たちの卒業式だ。 今日のことは一生忘れないだろう。 先生はこれからの教師生活を、君たちと歩んだ3年間をしっかりと心に焼き付けて生きていこうと思う。 君たちもなんかあったら 連絡してくれ。 結婚式くらい呼んでくれよ!」 周りは号泣しっぱなしだが、 6校目の1年間などに 僕は号泣などできなかった。 目立つほど冷静だった。 卒業式の最後に渡される 1年分の思い出しかない アルバムも寂しいものだ。 たかが1年の 僕にとっては薄っぺらい アルバムの1つにしか 過ぎないのだから。
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