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このまま、
溶けていっこになってもうたらええのに。
あいつは熱に浮かされたような声でそう呟いた。
あっつい頬。
普段、モチみたいに白い体は所々赤く、まだらで。
俺が散々しがみついたからやと気付き、恥ずかしくなる。
「なにと」
答えはわかっているが、そう尋ねる。
藤原は、荒い息を整え、小さく音を立ててキスをした。
「…貴ちゃんと。どこにもやりたないわ」
「貴ちゃんゆうのやめえ」
「たかふみ」
「ははッ、」
「…いのもと。むっちゃ、好きや」
絶え間なく降ってくるキス。
止まへん雨、みたいや。
絡められる藤原の舌に応えながら、ちらりと横目で窓を見る。
ガラス窓に点々と雨粒。
梅雨らしく、ぽそぽそと雨が降り続いていた。
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