おとめ座シーソーゲーム 14

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一拍置いて、一気に汗が出た。 俺、 いま、 何を、 (ええ~~~っ!!!???) ないだろ、ないない。 何この突然の告白。 どう考えても「今」じゃねぇじゃん!!超間違えた!! 慌てている俺に、電話の向こうから低い声が尋ねる。 『…聞き間違い?』 「はいっ?」 『いや、俺の…聞き間違い?』 「…」 心臓が痛い。 携帯を握った手が汗でぬるぬるしてきた。 『好きです、て、聞こえたんやけど』 「…」 『もしもし?』 「…」 『あれっ?何やこれ…もしもし?もしもーし』 「…はい」 一瞬、電波のせいにして切ろうかと思った自分に喝を入れる。 気合い入れろ、俺!! すう、 息を吸い込んで、腹に力を入れる。 なるべくゆっくりと、一語一語噛みしめるように、言った。 「聞き間違いじゃないです。言いました。 俺、藤原さんのことが好きです」 痛い痛い。 心臓が。 汗びっしょりな手は、何故か冷たい。 早くなんか言ってくれよ。 もう、振るんでもいいから、何か。 あと10秒でも沈黙が続いたら耐えられない。 そう思ったとき、電話の向こうで、がさがさ、と荒っぽく動く音。 ばさっ、 チャリ、 ガタガタ、 『若林、今から会える?』 「え?」 『幡ヶ谷やんな。20…15分待っといて。ほな!!電話する!!』 ぷつ、 ツー、ツー、 矢継ぎ早でまくし立て、電話は切られた。 俺は、通話終了した携帯を耳に当てたまま、部屋で一人正座していた。
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