動詞のジャンクション 21

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夏が過ぎて、 秋が過ぎて、 冬になった。 あいつに対する感情を、恋愛だと気付けないまま、時間だけが過ぎていた。 寒い日の帰り道。 薄着のくせに寒い寒いと騒ぐ井本に、巻いていたマフラーを放り投げる。 急に大人しくなる井本。 黙って俺のマフラーを巻く姿を見て、何とも言えない気持ちが胸の中に充満する。 (…何なんやろ) 何でこんな変な気分になんねやろ。 井本の赤くなった鼻先を見ていると、何だか答えが出そうな気がした。 (…俺、もしかして) マフラーに顔を埋め黙りこくっていた井本が、ぽつりと尋ねてきた。 いつかと同じ、質問だった。 「…お前、俺のこと好きやろ」 .
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