820人が本棚に入れています
本棚に追加
「松屋にしようぜ」
「ん」
「なんか、米食いたい」
「ん」
キスの合間にそんな会話をしながら、ずるずると着替える。
デニムを履いた弾みで、かちんと歯が当たる。
くふふ、と喉の奥で含み笑いする若林が可愛くて、着替える手が止まる。
ああ、
さっきもこうだった。
帰ろうとして、着替えている途中にちょっかいかけられて(かけて?)。
いったん認めると、こうもタガが外れるもんかね。
今はただ、若林が可愛くて。
見ていたくて、見ていると触りたくなって。
(藤原さんのお陰ですな)
互いに悶々としながらも、友人関係を続けていく以外の選択肢を思いつきもしなかった。
そんな二人がこうなるなんて、誰が思っただろう。
俺達の今があるのは、あの人が居たからで。
それは素直に感謝していた。
最初のコメントを投稿しよう!