確信犯 10

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「上、乗って…」 かすれた、低い声。 言われるままに起きあがろうとするが、体に力が入らない。 右手をひらひら差し出すと、察した藤原が俺の頭の下に腕を差し入れ、ゆっくり抱き起こした。 膝の上に乗せられ、ぎゅう、と抱き締められる。 直接触れた肌が、互いに汗ばんでいてべたつく。 熱い、暑い。 でも、離れたくない。 「よっ」 「、ぅわ」 藤原が片手で俺を抱いたまま、ベッドの端に移動してエアコンのリモコンを取った。 「アホ、また腰いわすで」 「おん。今ちょっとヤバかった」 「ははっ」 ピッ、 部屋の温度を下げる。 ちらりと見たリモコンの画面は、冷房24℃。 何ラウンド目かが始まることを予感して、感じる疲労とその何倍もの期待。 藤原の唇が、噛みつくように俺の唇をとらえる。 いきなり入ってくる舌。 これだけで、もう体が熱を取り戻す。 「ンッ、」 「すごいな。すぐ…、入りそう」 指で中を探るように弄られて、びり、と痺れるような快感が背筋を走る。 待ちきれず、藤原に跨り膝を立て、ゆっくりと自分自身で腰を沈めていく。 藤原が、目の前の俺の胸にちゅ、と軽い音を立てキスをした。 尖らせた舌で、突起を舐められ、体がびくりと震える。 見下ろした藤原は、俺の反応を楽しむように顔を見上げていて。 少しの屈辱と、恥ずかしさと、藤原のその妖艶な表情に湧き上がる興奮。 たまらず、腰をぐっと沈める。 「…っ、く。…腹に、モロに来る…」 「奥まで…入っとんで」 ずっ、 下から更に腰を突き上げる藤原。 力を入れた腹周りに、腹筋が浮かび上がり影を作る。 「あっ、あ…!!」 「はあっ、…めっちゃイイ、っ…!!」 「あ、あ、ふじっ…!!ぅあ…っ」 掴まれた腰を突き上げられ、 包んだ手で前を擦り上げられ、 いとも容易く、頂上が見えてくる。 エアコンからの風で、汗が冷えて肩がつめたい。 でも、体の内側は灼かれるように熱い。 「あっかん…、も、あぁっ…!!」 「はあっ、い、のもと…!!」 今日何度目かの絶頂とともに、俺は意識を手放した。
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