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「上、乗って…」
かすれた、低い声。
言われるままに起きあがろうとするが、体に力が入らない。
右手をひらひら差し出すと、察した藤原が俺の頭の下に腕を差し入れ、ゆっくり抱き起こした。
膝の上に乗せられ、ぎゅう、と抱き締められる。
直接触れた肌が、互いに汗ばんでいてべたつく。
熱い、暑い。
でも、離れたくない。
「よっ」
「、ぅわ」
藤原が片手で俺を抱いたまま、ベッドの端に移動してエアコンのリモコンを取った。
「アホ、また腰いわすで」
「おん。今ちょっとヤバかった」
「ははっ」
ピッ、
部屋の温度を下げる。
ちらりと見たリモコンの画面は、冷房24℃。
何ラウンド目かが始まることを予感して、感じる疲労とその何倍もの期待。
藤原の唇が、噛みつくように俺の唇をとらえる。
いきなり入ってくる舌。
これだけで、もう体が熱を取り戻す。
「ンッ、」
「すごいな。すぐ…、入りそう」
指で中を探るように弄られて、びり、と痺れるような快感が背筋を走る。
待ちきれず、藤原に跨り膝を立て、ゆっくりと自分自身で腰を沈めていく。
藤原が、目の前の俺の胸にちゅ、と軽い音を立てキスをした。
尖らせた舌で、突起を舐められ、体がびくりと震える。
見下ろした藤原は、俺の反応を楽しむように顔を見上げていて。
少しの屈辱と、恥ずかしさと、藤原のその妖艶な表情に湧き上がる興奮。
たまらず、腰をぐっと沈める。
「…っ、く。…腹に、モロに来る…」
「奥まで…入っとんで」
ずっ、
下から更に腰を突き上げる藤原。
力を入れた腹周りに、腹筋が浮かび上がり影を作る。
「あっ、あ…!!」
「はあっ、…めっちゃイイ、っ…!!」
「あ、あ、ふじっ…!!ぅあ…っ」
掴まれた腰を突き上げられ、
包んだ手で前を擦り上げられ、
いとも容易く、頂上が見えてくる。
エアコンからの風で、汗が冷えて肩がつめたい。
でも、体の内側は灼かれるように熱い。
「あっかん…、も、あぁっ…!!」
「はあっ、い、のもと…!!」
今日何度目かの絶頂とともに、俺は意識を手放した。
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