第1章:ようこそ、時間屋へ

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いわば、時間を売るのが『時間屋』と言っても過言ではない。 ここでは数多くの時間を取り扱っているのだから。 私は人々に夢を与え、そして反対に悪夢までも見せてしまう。 この対立の繋がりは絶つことなんてできなくて、いつも悩みの種になる。 あぁ、人間たちはいつになったら気付くのだろう…時間に抗うことが、どれほど愚かな行為なのかということを。 きっと、どの時代でも、この答えは見つからない気がする。 だって、そうでしょう? だからこそ、いまの私に存在意義が生まれている。 存在意義があるからこそ、私は生きていることができる。 …私こそが、本当に愚かな生き物なのかもしれないわね。 ほら、そうしている間に、またお客様がやってきた。 アナタは…何を望むのですか?
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