第1章:ようこそ、時間屋へ

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時間の中を自由に生きていきたいなんて、もはや時間を支配する勢いの願望だ。 まぁ、無理な話ではないのだけれど…これはこれで難題な話になってきた。 溜め息を吐きつつ彼女を見やると、すでに彼女はうわの空。 「夢…かなうのかな…」 …なんて、すでに妄想に想いを馳せている。 それでも、彼女の瞳は真剣そのものだった。 いままで幾度となく見てきたこの瞳は、決して人の忠告を聞かない現れだ。 それでも私は問う。 「アナタの望みはわかったわ。アナタの過去に何があったかはわからない。でも、アナタは絶望して、いまの時間に希望がないと思っている…そんなとこかしら」 無言で私を見つめる彼女の瞳は、一瞬寂しげに揺れた。 「私は、アナタの夢を叶えてあげることができるわ。…でも、時間は本来、人間が手にすることは許さない。だから、簡単にアナタの夢を叶えるわけにはいかないのよ」 「どうすればいい…?」 早く、早く。 そう言いたげな彼女をしっかりと見つめる。 穢れなき眼で見つめ返してくるアナタは、この言葉を聞いて気付いてくれるかしら…。 「代償を捧げなさい」 これが私の残酷な商売。 「…代償さえ払えばいいの?」
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