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突然だが、あたしは失恋した。
生まれて初めてくらいに、人を本気で好きになったんだと思う。
その人の事を考えると、胸を押さえずにいられないくらい、体の奥の方が突き上げられた。
涙がでる前に、そっと目を閉じる。
そこに浮かぶのは、やっぱりあいつの顔。
今となっては、それが、悔しくもあり、大切でもあり、捨てたくもあり、全部混じって、うわーって頭をかきむしりたくなる。
とにかく、16歳の夏。
あたしは恋をして、その思いは、カンペキなまでに、砕け散ったのだ。
ぱりん。
今のは心が砕ける音だ。
別にあなたに拾ってほしいわけじゃない。
そのかけらは、ガラスと一緒だ。
怪我したくなければ、さわるな。
怪我したければ切りつけてやる。責任なんか持たずに。
あたしは割れたガラスの女。だから、そう思って、この話を読んでくれたらいい。
あたしの名前は、アヤカだ。
ブレイクガラスガール、アヤカだ。
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