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春である。
当然のごとく、桃乃木学園にも春がやって来た。そして、今は昼休み。
高等部校舎最上階の3階、最南端に位置するある部屋。
生徒達に《鬼ヶ島》と恐れられて人通りの少ないその部屋――生徒会室に、3人の生徒の姿があった。
1人目は入り口から見て左側の席に座った少年。
薄茶のセミロングの髪に、優しげな紅茶色の瞳を持った綺麗系美少年。
彼は生徒会副会長、八王子 詩六(はちおうじ しりく)である。
2人目は入り口から見て右側の席に座った少年。
黒の短髪に大きな黒い瞳の可愛いジャニーズ系の美少年。
生徒会書記、柏木 葵(かしわぎ あおい)である。
そして、最後。3人目。
入り口から見て正面の席にドッカリと腰をおろした少女。
黒の長髪に、ダサダサの黒縁眼鏡をかけた…何とも不気味な少女。
彼女こそが鬼生徒会長と恐れられる生徒会会長、宝城 アリス(ほうじょう ありす)であった――
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