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ライトはさらに抗議をしようとしていた
少なくとも、今のノクトの言葉を聞くまでは
頭を下げたノクトの目尻に光る涙を見るまでは
だが、もう今はその気持ちはずいぶんと小さくなっていた
ノクトが2人に頭を下げる
ノクトが2人の前で涙を流す
どちらも初めてのことだった
「………っ!」
ライトは驚きを隠せず、言葉につまる
ティナも驚いてノクトを見ていた
ノクトは依然として頭を下げたまま
やがて、ライトは観念したようにため息をついた
「………死んだら許さねぇぞ」
その言葉を聞いて、ノクトは顔を上げた
「分かってる」
ライトはしっかりとノクトの目を見据えた
「よし。だったら、しばらく我が儘許してやるよ。…ただし」
言葉を区切ったライトは、なおも真剣に言う
「我が儘言ったからには…途中で投げ出すのは無しだ」
ノクトは力強く頷いた
「ああ。もとからそのつもりだ」
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