No.4 深淵と悲劇

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ノクトの背中を見送ったあと、ライトはすぐ隣にいるティナに目を向けた ティナは胸の前で手を合わせ、祈るように俯いている ライトはにっと笑うと、言った 「ティナ、オレ達はどうする?」 ティナは一度ビクッとして顔を上げた 「あ、え、……へ?」 どうやらティナはノクトのことで頭がいっぱいだったようだ 驚いたようにライトの顔を見上げる 「あ、ごめんごめん!えっと…私達はライトの理想を叶えるんだよね」 ティナはにっこり笑ってそう言った 「そうなるかな」 ライトは頷く 「じゃあ……あれ?ライトの理想は『みんなが笑って暮らせる世界』だったよね。言い換えると…『争いのない世界』。そして、争いの元は……魔獣?」 「いや、魔獣だけじゃない。だってさ、人と人との争いもあるじゃん?」 「あ、そっか。………じゃあ、かなり頑張らないとね」 「おう!頑張ってやる!」 ライトは知らず知らずのうちに拳を握り締めていた
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