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ある日、路地裏には茶髪の小さな少年がいた
その少年は虚ろな瞳で、店の裏口を見つめている
痩せこけた少年
まだ5歳くらいだろうか
彼は、店から食べ残しが捨てられるのを待っていた
やがて店の裏口が開き、ごみ箱が外に出される
そしてその匂いから逃げるように、すぐに戸は閉まる
少年はそのごみ箱の方へと歩く
虚ろな瞳は変わらない
ごみ箱からは強烈な匂い
だが少年は嫌な顔ひとつせずそれに近づいていく
少年はもう、疲れていた
少年はそのごみ箱のもとに着くと、ふたを開けた
すると今までよりもさらに強烈な匂いが漂う
その中から少年はまだ身のついている魚を取り出した
そしてそれを口元へ運ぶ
魚が口に入ろうとした、その時
「ねえ、きみ、なにしてるの?」
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