No.4 深淵と悲劇

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ある日、路地裏には茶髪の小さな少年がいた その少年は虚ろな瞳で、店の裏口を見つめている 痩せこけた少年 まだ5歳くらいだろうか 彼は、店から食べ残しが捨てられるのを待っていた やがて店の裏口が開き、ごみ箱が外に出される そしてその匂いから逃げるように、すぐに戸は閉まる 少年はそのごみ箱の方へと歩く 虚ろな瞳は変わらない ごみ箱からは強烈な匂い だが少年は嫌な顔ひとつせずそれに近づいていく 少年はもう、疲れていた 少年はそのごみ箱のもとに着くと、ふたを開けた すると今までよりもさらに強烈な匂いが漂う その中から少年はまだ身のついている魚を取り出した そしてそれを口元へ運ぶ 魚が口に入ろうとした、その時 「ねえ、きみ、なにしてるの?」
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