プロローグ

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「覇王さま」 「覇王さま」 それから幾度と呼び止められ、足を止める。 用件は“体調はどうですか”や“どこに行くのですか”や“お腹空いていませんか”など。 最初の女性たちのような会話ばかりだった。 一応質問されれば返事はするが物はもらわない。 一人もらったならば、全員のをもらわなくてはいけないし、お返しに困るからだ。 ましてや食べ物は絶対にもらわない。 何故なら初めて食べ物をもらったときのことだ。 なんの疑いもなしに箱を開けたら何かのおまじないなのか食べ物の中に髪の毛が入っていたのだ。 それも入ってしまったのレベルではない。 長い黒髪が束になって入っていたのだ。 こんなことがあるため物はもらえない。
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