9430人が本棚に入れています
本棚に追加
2FにあるBARスペースで、白ワインを頼んで知り合いのスタッフさんと二言、三言話をしていた気がする。
そんな時。
「ねー、わたしもまぜてちょ。」
すごくフランクに声をかけてきたのが、杏だった。
パーマで作った大きなウェーブを指先でくるくる遊びながら、流行りのマリンルックを大人っぽく着こなした杏。
クロエの香水が、鼻をくすぐった。
歳が私と同じという事が判明して、そんなちっぽけな偶然だけで、短時間で急速に仲良くなって。
二時間前は他人だったのに、今は、まるで10年来の親友のよう。
杏はイヤミなく、するりと懐に滑り込むような子で、もう隣にいるのが当たり前のような錯覚。
[お酒がある暗闇]には魔法が漂っている。
どんだけ呑んだか解らない夜中の2時。
気がついたら…
杏に、何故か夢を語っていた。
.
最初のコメントを投稿しよう!