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「ねえ、倫子さ、夢叶えてやろうか?」
コインパーキングの前、街灯の妖しい光の下。
杏が不敵に笑ったんだ。
杏の自信の表れが顔に出ちゃってて、酔っ払いのふざけた嘘じゃない事は、もう朝方になりかけのぼーーーっとした頭でもうっすら解る。
「マジ!?、叶えてっ!」
……だから、多分、私の内面の環境もこの状況も今日という日も、すべて良くなくて。
明日や、昨日だったら即答なんて絶対あり得ない。
「どういう事?」
って絶対聞く筈だもの。
「早く、今すぐ!!」
なんて、嘘でも言っちゃいけなかったんだ。
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