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肩を少し揺らして笑った杏。
ちょうど私達を見つけて、そろりと近付いて来たタクシーを、杏は止めた。
行き先は、銀座。
何故?
杏のママに逢いに…だって。
別に明日は休みだし、杏とは性格がバッチリ合ったから、ママに逢う事に対しては何の問題も無かった。
杏のママは、銀座のクラブのオーナー兼ママ。
子供の私が言うのも何だけど、結構がっつり儲けてるって、杏がタクシーの中で話してくれた。
未開の地、銀座のクラブに少しの緊張、大きな好奇心を胸に抱えて頬は緩みっぱなしだった。
そして、大きな交差点の角にタクシーは止まり、近くの小奇麗なビルが、どう見ても場違いな女二人を吸い込んだんだ。
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