[起]承転結

12/15

9432人が本棚に入れています
本棚に追加
/661ページ
「ママ―!ママーっ!?」 杏の声で、ぼーーーっとしていた頭が、また現実に引き戻された。 入口を背に、廊下を抜ければそこにはお酒が置いてあるカウンターとそんなに大きくないフロアがあって。 きょろきょろしてると、杏が手招きする。 円形に組んだソファセットに足を向けると、杏のママの背中が見えた。 クリーム色の着物に藤色の帯。 「貴方が……、倫子?」 「こんば…、あ、おはようございます。廣瀬倫子です。」 挨拶をして、顔を上げると あぁ、成功を手にした人の顔だなぁって絶対納得するような、強い、強い、でも美しさの裏に儚さも匂わせてるような…杏のママに目を奪われる。 「ん、いいわ。」 杏のママは、片目を瞑った。 .
/661ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9432人が本棚に入れています
本棚に追加