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上等……。
それは、今思えば、一次審査通過っていう意味だった。
満足そうに目を細める沙織さんの隣で、また電話をかける杏。
だんだん、なんだか私を取り巻く環境が、この人達によって大きく捻じ曲げられるんだな、って、気が付いて。
「あなたは何も気にしなくていいわ。売上、在庫、顧客管理……、なーんにも心配しなくていい。好きなモノ仕入れて好きなだけ売ればいい。お給料は出すわよ?勿論ね。
ウマい話過ぎるでしょ?
そんな顔してる。
その代わり、倫子、あなたの身体を献上してくれればいいのよ。
あなたのお店でもう一つ商売をしてくれればいいだけ。
でね、…試させて欲しいのよ。
今から私の息子が来るから。
ちょっと、彼と寝て。」
--ホラ、足元が崩れ出した。
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