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くるりと身体を巻き込まれて、組み倒されたのは、優秀なスプリングが背中で働く柔らかいベッド。
ここに初めて寝ころんだ私を柔らかく包み込むのは、目の前で睨みをきかせている男じゃなくて、このベッド。
こんな状況じゃなかったら、
頬を寄せて、身体を委ねて…。
リヒトじゃなく、ベッドね?
そんな妄想をもあっさり砕く。
「……おい、ただやるだけだと思うなよ?お前はサービスする側なんだからな。」
引き込まれてしまった瞳は、灰色と漆黒のグラデーション。
その声からは、優しさなんて微塵も感じない。
平気。既に気持ちは決まっている。別に、脅して私を怯えさせるような、この男の態度なんて、
ホント何でも、ないんだから。
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