[起]承転結~テスト

8/16
前へ
/661ページ
次へ
くるりと身体を巻き込まれて、組み倒されたのは、優秀なスプリングが背中で働く柔らかいベッド。 ここに初めて寝ころんだ私を柔らかく包み込むのは、目の前で睨みをきかせている男じゃなくて、このベッド。 こんな状況じゃなかったら、 頬を寄せて、身体を委ねて…。 リヒトじゃなく、ベッドね? そんな妄想をもあっさり砕く。 「……おい、ただやるだけだと思うなよ?お前はサービスする側なんだからな。」 引き込まれてしまった瞳は、灰色と漆黒のグラデーション。 その声からは、優しさなんて微塵も感じない。 平気。既に気持ちは決まっている。別に、脅して私を怯えさせるような、この男の態度なんて、 ホント何でも、ないんだから。 .
/661ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9430人が本棚に入れています
本棚に追加