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もう、窓から漏れる光は朝方のそれとは違う、活力に充ち溢れた太陽。
時計も何もない室内では、どの位の時をここで刻んだのか確かめる術もなくて。
顎を上げて、眉間に寄せたシワ。
胸が上下に揺れてしまう息遣い。
震えるこの身体をしっかり抱きとめてくれるのは……
やっぱり、リヒトじゃなくて優秀なこのベッド。
ぼんやりする頭と身体を奮い立たせて、ヒトメボレにも近い感情を抱いてしまった彼(ベッド)からやっとの事、抜け出した。
「倫子。」
背中に響くのは、さっきまで肌を合わせていた男の声。
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