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ぎょっとした。
誰?って驚いちゃった。
ココロの中ではひな壇芸人が一斉に「誰だよ!」ってリヒトに突っこみ入れてる妄想。
ほんの一瞬現実に引き戻された私を、
ほんの一瞬だけ、緊張の糸をぶつりと切っておいて、
スローモーション。
リヒトの唇がゆっくり隙間を作りながら距離を詰める。
見とれちゃったんだよね。
こんな唇にキスされたら、きもちいんだろうなぁって。
やっぱりまた妄想しちゃったんだけど。
思わずリヒトの唇と同じ形を作ってしまった、私のそれ。
少しだけ顎を上げて待ち構えてしまった私のバカ。
あぁ、やっぱり、キス、だ。
先に上唇の柔らかさを感じて、
次に軽く息が吹き込まれて、
遅れて、下唇と舌が…水を得た金魚の様にゆらゆら泳ぎだした。
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