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「そんでね、コレ、お守りー!」
そう言って杏がするりとシルバーのテーブルの上、差し出してきたのは真っ黒なジュエリーボックスで。
ゴールドの留金を引き上げると、そこにはゴシック調のアンクレットが上品に横たわっていた。
ゴツゴツしたような頑丈な鎖なんだけど、薔薇の細工がとても可愛らしい。
ランジェリーにも決して邪魔しない、綺麗な細工。
「倫子には、ゴールドのほっそいほっそいチェーンが本来はお似合いなんだけど……
切れたら、アンタも消えちゃいそうだから。
負けないでよ?倫子。」
杏らしい激励に、少しだけ心の色が晴れた。
明日には、
[ナディア]がオープンする。
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