2685人が本棚に入れています
本棚に追加
/284ページ
『えーっと、
あ、なんか飲む???』
一見気の良さそうな店長は、笑顔で言いながら席を立った。
『…カフェオレだよカフェオレ…(笑)
…絶対出てくんの毎回(笑)』
クスクス笑いながらナナが耳打ちした通り、
店長が持ってきたグラスには、
さっきからすでにテーブルの上にあったカフェオレが注がれた。
店長『で、
ある程度は話してくれてるの?』
ナナ『いや、触り程度だよ。
どんな人が来る~とか(笑)』
隣に座るぁたしは、ナナの笑いに合わせて愛想笑い。
なんていうか、
脱け殻のような感じだった。
現実味が無いというか…
意志が無いというか…
幽体離脱して、自分で自分を見てる感じ。
『えっとね、
取り分について話そうかな。』
そう言って店長は料金システムや、女の子の取り分、オプションなんかを、
マニュアルを見ながら説明してくれた。
真っ昼間だけど、
その口から発せられるのはどれも卑猥な言葉。
それを平気な顔して聞くぁたし。
だって、
現実味が無いんやもん。
ただ、
エアコンのきいた部屋がやけに寒く感じて
【ココ】にいる現実を、
肌に染み込ませていくのは分かった。
最初のコメントを投稿しよう!