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~未来の自宅にて~
「ただいまぁ。」
家出してたから、1ヶ月ぶりの自宅。
「おかえり。久しぶりねぇ。」
「心配かけてごめんね。お母さん。」
あぁ。
こんな悲しい顔をさせたかったわけじゃない…
「あ…ごめんね。お母さんて呼ぶの嫌なら、ミィで…『ううん。お母さんはお母さんでしょ!』
美井は、産んだ人ではなかったけれど、お母さんとしか思えないから。
「お父さん…ただいま。」
すこし、強ばった声だ。
「おかえり。」
お父さんの優しい笑顔で、緊張の糸が切れた。
「夏樹と、のい先生には話したよ。」
「そうか。ごめんな…」
お父さんの顔は、今にも崩れ落ちそうなほど、弱々しかった。
「大丈夫。私にとって知らない方が幸せだと思って隠しててくれたんでしょ?ツカ、今日私謝られてばっかだゎ。」
少しはちゃけてみたが、お父さんの表情は、変わらない。
「なんで?」
「のい先生は、治してやれなくてごめんだって。」
「そっか。」
「お母さんにも、ごめんって言われちゃった。」
少し表情がよくなった気がする。
「あー。やっぱり。で、未来はどう返事したの?」
やっぱり?
「お母さんはお母さんでしょ!ってかましてやったよ。」
「それでこそ、俺の娘だ。」
気付いたら、お父さんには完璧に笑顔が戻っていた。「エヘヘ。意味わかんないよ(笑)」
その後も、お母さん[空良]の話し(ツカ、お父さんのノロケww)を聞かされて皆で爆笑した。
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