28人が本棚に入れています
本棚に追加
─未来side─
あの、お父さんと一緒に写ってた人、お父さんの姉か妹だと思ってた。
本当のお母さんだったんだ。
でも、分かる気がする。
あの写真見ると、落ち込んでる時は元気がでたし、落ち着いた。
お母さんだったからなんだ…。
「お母さん。一緒に出掛けたりとか、料理作ったりとか、ケンカもしたりとか…やってみたかったな。」
ポツリ…と、写真に向かって話してみる。
う…。ぐすん。
─あ…。泣いてる─
その後私は、どのくらい泣いていたのだろうか…
気付いたら、寝ていた。
「あ。もぅ、7時だ。」
「未来~。起きてるの?ご飯だょ~。」
「はーい。起きてるよ!今行くから。」
一緒に出掛けたりとか、料理作ったりとか、ケンカもしたりとか、空良さんの方とは、出来なかったけど、美井となら出来る。
本当のお母さんじゃなくても、美井はお母さんで…。
この写真の人が母で、美井は、他人なのかもしれない。
けど、私はお母さんとしか思えない。
だから、泣くのは最後。
お母さんが傷つくだろうから。
また、あんな顔させちゃうから。
絶対にこの写真を見ても泣かない。
いや…もう、見ない。
タイムカプセルとして、埋めておこう。
どうしようもなく、辛くなって、どうしても駄目な時に、掘り返して、この写真…
いや、アルバムをみる。
その時まで……オヤスミ。
最初のコメントを投稿しよう!