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創が振り返り、
は?
って顔をする。
『おまえ…
なんでいんねん』
その子は、
創を無視して
小さな体から
想像できない位
大きな声で
私に言った。
「別れて
ないんですか?」
『はい?』
イラっとした顔で
再び
「だからぁ~、
別れてないかって
聞いてんの」
最後まで
話は聞くのに
こういう風に
言われると、
カチンとくる。
『ちょ…』
私が言いかけた
その時…
なぜか
美香がキレた。
「あんた、
いい加減にし~や
あんたも、どのツラ下げて謝っとんねん。
チワ喧嘩は、
よそでやってーや」
……。
『美香…行こう』
今度は逆に
私が
美香の手をひいて
歩き出した。
美香が
言わなかったら、
私がキレてた。
美香に預けた左手も、
創が掴む右手も
言葉にならない
いろんな怒りで
ブルブル震えて、
初めて人に
手を
あげそうだった。
きっと美香は、
そういうの
わかって
くれたんだろう。
創がどうとか、
女の子がどうとか、
そういうんじゃなくて
美香に対して
泣きそうになった。
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