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得体の知れない不安が
真っ白い半紙に落ちた
一滴の墨汁のように
じわじわと広がっていくのを
感じながら電話を切った。
彼に何があったのだろう?
まず頭に浮かんだことは…
浮気?
まさか、それはない。
そんな暇があったはずはないし、
何より浮気を隠し通せるほど
颯ちゃんは器用じゃない。
私の勘も働くはず。
後ろめたい出来事を
隠している…とかでは
ない気がする。
出店準備に何か難問が
出てきたのかも知れない。
でも、それなら多分
話してくれるはず…。
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