暗雲

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「澪、心配かけただろ? ホントごめんな。 俺、ちょっと無理し過ぎたみたいでさ。 疲れてたんだよ。 念願の夢でさえ嫌気さしてたんだ。 焦らずにボチボチいくことにするよ。 週末は久々に二人で過ごそう。 やっぱり澪との時間が一番大切だしな。」 前回の電話で感じた不安が、 自分の思い過ごしだったとは 思いにくいけれど、 何もかも元通りのような気がした。 彼の言う通り、 ただただ一生懸命になりすぎて 疲れてた彼の声に 妄想を抱いていただけ だったのかもしれない。 素直にそう思ったのか、 そういう決着を自分自身に 言い聞かせたのか。 その辺はよくわからないまま、 それでも心は晴れた。 雲一つなく、とはいかないけれど、 週末に颯ちゃんに会えば、 心は快晴になるだろう。
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