愛憎

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「今日みたいに無理に部屋に 押し入るような真似は もうしないけど、また会いに行くよ。 どうしても会いたくないなら その時に断ってくれればいい。 元カレのことで 頭がいっぱいだとしても 他の男と会うことも話すことも しない理由にはならないよ。 じゃあ、また。」 そう言って、涼くんは 私の返事も聞かずに電話をきった。 ありがとうって言えばよかった。 最初は憎しみの対象でしか なかったけれど、他人だからこそ 恥も外聞もなく泣くことも 八つ当たりすることもできた。 彼はそれを受け止めてくれた。 今は悲しくて辛くて仕方ないけど 涼くんがいなかったら この悲しみを吐き出すことも できずにいたのかもしれない。
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