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今日の朝も、あの日みたいに綺麗な青空に包まれていた。
「こーちゃん、おはよー」
後ろからやって来たのは、私の一番の親友。もう産まれたときから一緒にいる。
「おはようございます領君」
領君は、ふにゃっと笑って私の手を握った。
ほんわかした雰囲気を出す領君と違い、私は眠くて少しだけ苛々していた。
「こーちゃん、手…いたぃ」
気づかない内に、領君の手を強く握りしめていた。
とっさに繋いでいた手を離して、小さく謝る。
「ごめんなさい」
「ふふ、だいじょうぶだよ」
領君は怒るどころか、ふにゃっと笑って…
そしてまた、手を繋いだ。
こんどは優しく…と思ったら、領君の方からぎゅっと握りしめてきた。
「領君?」
「こーちゃんは、この方が好きなんでしょ?」
照れて赤くなる顔を隠すために下を向いたら、領君は私の目を覗き込んで…
ちゅ――
「こーちゃん大好き」
唇に柔らかいものがあたって、耳まで赤くなってしまった。
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