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「りょ、領君っ…!」
あたふたする私を見ながら、領君は不思議そうな顔をしていた。
「早く行こ?おくれちゃうよ」
手を引きながら領君は少しだけ歩くのを早めた。
「今日のおれは、味がちがうよ」
なに、わけわかんないこと言ってんだか。
私は領君と繋いだ手を離さないように、指をからめた。
「領君はいつも味が違うよ」
「ふぇ?」
ふふふ、と笑いながら私たちは学校へ向かった。
「こーちゃん、ばいばい」
「また後で」
クラスが違う私達…だけど、またすぐに会えるんだ。
領君をそばにおけるのは、私しかいない。
独りにするなんて、あり得ないぐらい。
独りにしちゃうと、何をしでかすかわからないんです。
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