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「さぁ、わが文芸部の部室へようこそ~!」 ガラガラッ 引き戸をあけて私を部室へ案内するヤギ。 ハァ、とため息を吐き出して 「はいはい、わかりました。よろしくお願いします。部長。」 ぺこりと頭をさげ、部室に入った。 そこには机と椅子、机の上には原稿用紙、 本棚には歴代の文芸部の発行した本がズラリと並んでいるだけの質素な空間だった。 「まぁまぁ、椅子にすわりなって。」 ヤギに促され椅子に座った。 ぐるりと見回すと本棚にある文芸部の本が目に留まった。 「ねぇ、あの本ってさ、先輩達が毎年残していった本?」 そう聞くとヤギはうん、そだよ。と返事した。 「ちょっと読んでもいーい?」 もちろんだよ~とヤギはニコニコしながら早速小説を書き始めていた。
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