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…おかしい。
こんなにも長―い時間をかけて学校中を探索しまくっているのに、好みの人間が見つからない!!
これだけ人間がいたら変人・奇人・異常者が何人かいるはずなのに!!
全然、発見できない!!
結果が労力に比例していないため、イライラしながら足音をたてて廊下を移動していると見回りの先生が前から歩いてくる。
「あ、八千代せんせー。」
「…!!」
私の声が先生の鼓膜を揺らすと、先生は慌ててサッと目線を外して私という存在を視界から除外してしまった。
…つまんない。
せっかく久しぶりに私から交流しにいったのに。
思わず舌打ちしたくなったけど、"別にいいや"とポジティブシンキングにまた徘徊を再開することにした。
機嫌よく目当ての人間を探索するために腕をぶーんぶんと、廊下をふ―らふらと、スリッパをぺーたぺたと、体をゆーらゆらと、頭をぐーらぐらと……ぐぁ、酔ってしまった。
「悠ちん何してるのー?」
酔ってしまったため廊下にうずくまっていた私に友達である心ちゃんの華麗な声が上から降ってきた。
へ、ヘルプ!!
「心ちゃん…気持ち悪い…。」
「え!?悠ちん病気!?」
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