神坂悠・相田心

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「ダメ?なんで?」 「勉強しないと進級できないし、悠ちんは進学も就職もできなくなっちゃう。」 「じゃあ引きこもる。」 あー 金ならあるよ。 家族の命と引き換えたからね。 それは心ちゃんも分かってるでしょ?一緒に暮らしてるんだからさ。 「心は悠ちんを心配してるのにっ!!」 「ありがとー。」 気の抜けた返事と共に授業終了のチャイムが鳴った。 本当につまんなかった今日の徘徊タイムが終わったことだし…さっさと帰ろ。 「んじゃ、また後で。」 「うん!!」 単純自傷美人の心ちゃんと一旦、バイバイしてから教室に寄ることなく直行で靴箱に向かう。 鞄?勉強道具?教科書? 家族と一緒に焼却しちゃったから存在しない。あの生意気だった弟があの世に送っといた私のそれらで勉強してるといいなー、なんて思ったり思ってなかったり。 あ、そういえば頭とか解体されて脳が露出してたから勉強できないじゃん。 利き手だった右手とか親指、人差し指、中指、薬指、小指が足の指になってたし? あははははーっ!! ムリムリ!!字、書けないって!! やばい!!腹痛いっ!!笑いすぎて死ぬ!!よじれる!! 「…。」 家族の中では君が一番マシな死に方だったし、よかったんじゃないかな。御愁傷様。 短い人生お疲れさん。 頑張って足の指で字、書いてみてよ。…ぷぷぷ。 あー お腹痛い。
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